BLUE GIANT SUPREME(ブルージャイアントシュプリーム) 7巻が出ました!
ヨーロッパ編も、いよいよ本格的になってきました。
前の6巻では、「NUMBER FIVE(ナンバー・ファイブ)」という名で結成したカルテットのヨーロッパツアーが始まり、フランクフルト空港を経て、オランダのフェスティバルに参加するというところまで。7巻は、そのフェスティバルでのパフォーマンス、そしてその後が描かています。
音の聴こえない、けれど聴こえてきそうな演奏に、圧倒される7巻。
ネタバレを含む、あらすじを紹介します。
目にしたくない方は、どうぞ飛ばしてください~(><)
【BLUE GIANT SUPREME 7巻 あらすじ】
オランダの小さな町で初めて開催されることになったジャズフェスティバル。
拙い運営、規模、予算ながらも、主催する3人の熱意に大たちFIVE NUMBERのメンバーも熱いものを感じていた。
そして、2日間のフェスティバルが始まった。
集客は芳しくなく、100人にも届かないほどの人しか集まっていなかったが、メンバーは舞台に集中していた。
演奏が始まった-
4人の真っすぐで力強いジャズの演奏に、次の出番に不安を抱えていた地元の高校生たちは、迷いがふっきれていく思いを感じていた。また、演奏を聴いていた主催の3人も、胸にせまる演奏にこみあげるものを抱えていた。
演奏が終わり、地元高校生3人のジャズバンドの出番となった。
FIVE NUMBERの演奏を聴いて、ただ自分たちにできることを精一杯やろうと決意していた。
演奏始めは緊張やミスもあり、演奏は思うようにいかなかった。けれど、3人はそれぞれの想いの強さ、ひさむきさで音を出し続けた。
決して上手ではない。けれど、姿、演奏は聞くものの胸に迫りくるものとなっていた。
その演奏をを聞いていた、フェスティバルのゲストバンド「サム・ジョーダン・カルテット」のリーダー サムは、大たちに、アンコールを一緒に演らないか?と声をかけた。
1日目の最後、ステージに立ったサム・ジョーダン・カルテット。
その演奏はゲストにふさわしいものであった。
始めは少なかった観客も、サム目当てにいつしか4、500人は集まっていた。
アンコールが始まった。
思い切り、自分らしい演奏を。
大やブルーノはそう試みるが、サムたちのプレーの大きさ、そして圧巻の演奏の安定感に、暴れきれず、自分たちの演奏を気持ちよく支え得るサムたちの演奏の凄さを痛感していた。
ベースのハンナは、その様子を感じながらも、サムたちの演奏に感心するのではなく自分たちの演奏を…!と果敢に攻めていった。その姿はサムも認め、また、大も負けている場合ではないと、再度自分自身を奮い立たせた。
音と音のぶつかり合い。
二つのバンド・カルテットの演奏は会場を大きな熱に包んでいった。
そして、無事フェスティバルの1日目が終了した。
主催の3人は、初日の今日という一日を、しみじみと振り返っていた。
フェスティバル開催に向け取り組み始めた18年前のこと、実現不可能だと思っていたフェスティバルが開催できたこと、そして素晴らしい演奏したサムと大たちのこと…。
自然、涙がこみあげてきていた。
フェスティバルは2日目も盛況だった。
無事終わり、サムは主催者、スタッフ、参加者に対し、慰労の声をかけた。
そして、大にアドバイスを二つ残す。
一つ目は、FIVE NUMBER のキーは、ドラマーのラファエルであり、バンド全体を上げたければ弱い彼を強くせねばならないということ。
二つ目は、大はもっと負ける必要があるということ、だった。
大にはまだ、サムのいう本当の意味をわかりかねていた。
一方、フェスティバルの中、FIVE NUMBERに音楽イベンターのアーサー・ウッドという人物が接触していた。彼は、ヨーロッパの音楽フェスの主催はコーディネートを仕事としており、有名なジャズフェスである「ノースシー・ジャズフェスティバル」の運営も行っていた。アーサーは、FIVE NUMBER の知名度を上げるべく、ジャズクラブ等への出演をすすめてきた。
FIVE NUMBERは思わぬ誘い、そしてノースシー・ジャズフェスティバルへの道に、新たな強い気持ちを抱いた。
しかし、そんな中、大のもとへ、日本にいる妹から一本の電話が入る。
「おとうさんが、倒れた」と…。
大は、メンバーの厚意により、急遽帰国することとなり、FIVE NUMBERは一時的に、大なしでの活動を開始することとなった。
そんな中、アーサーは大の代わりにと、代理のテナー奏者・アーネストを紹介。
気さくな性格、確かな技術、テナー奏者としての華やかさをもつアーネストは、すぐにメンバーと打ち解けた。
アーネストを含むカルテットの演奏は素晴らしく、有名なジャズクラブへの出演依頼も舞い込んでくるほどであった。
それに対し、アーネストは乗り気であったが、アーネストを除く、ラファエル、ハンナ、ブルーノは、あくまでも大がいてこそのFIVE NUMBERだと、出演依頼を断るのだった。
いつしか、メンバーの大に対する確かな信頼が、そこにあった。
<つづく>