雪花の虎(ゆきはなのとら) 8巻が出ました!
2019年9月に発売になったものの、感想を書くことをが遅れはやうんカ月。
2020年4月には9巻がでるようなので、急いで書かねば!
さて9巻。
朝廷から授与された「従五位下・弾正小弼」の叙任御礼のため、京へ向かった景虎一行。重なる出会いや、新たな刺客。
武将としての景虎に、見え隠れする一人の女性として機微が波乱の展開の中で描かれていきます。
ということで、まるっと京都上洛編の8巻。
ネタバレを含む、あらすじを紹介します。
目にしたくない方はどうぞ飛ばしてください~(><)
【雪花の虎 8巻 あらすじ】
京都へ向かい、近江の鯖街道を進む景虎一行。
花をきっかけにひょんなことで知り合った男が、実は室町幕府第13代将軍・足利義藤から使わされた室町幕府奉公衆供御方、進士源十郎藤延であることを知る。
(※供御方:将軍ならびにその家族の食事の用意をする役職)
景虎は女の姿で移動の身であり、自身を長尾家に仕える侍女「虎」であると伝える。
源十郎は、それをそのまま受取り、お虎さんと、同行する実乃と弥太郎を一緒に、将軍のもとへ案内する。
将軍足利義藤は、三好長慶との争いに敗れ、朽木谷に逃れていた。将軍のもとには、幼馴染の右大臣・近衛晴嗣(のちの近衛前久)、側近の細川与一郎藤孝もおり、景虎一行を快く受け入れてくれた。皆が手合わせに盛り上がる中、源十郎は取ってきた花を植えていた。その様子に、景虎は知らず亡くなった兄の姿を重ねていた。
一方、別れた景虎の影武者・シロは、道を間違え、景虎たちのいる興聖寺ではなく、朽木城を訪れていた。遅れて合流することもあり、景虎は初めての上洛で出会った足利幕府を支える若者たちと、期せずして、狩りや湯小屋など気兼ねなき新鮮な日々を過ごすこととなった。
しばらくして、シロたちは景虎たちと合流。弥太郎の粗相から、景虎の正体がバレてしまったが、足利義藤たちはむしろ前よりいっそう打ち解け合った。
関係が密になった将軍と景虎は、幕府とそして越後の現状を腹を割って話し合い、義藤の幕府復権の手助けと、ゆくゆくの景虎の関東管領就任を固く約束。その第一歩として、景虎は、都の案内人として源十郎を伴い、京へと旅立つ。京に着いた景虎は、荒れ果てた花の都の姿に愕然とし、荒んだこの世を鎮めることを心に決めるのであった。
その頃、摂津国の滝山城では、三好長慶に仕える城主の松永弾正忠久秀が、武田の間者・勘助と接触していた。
景虎が三好長慶にとってどのような存在であるか?
それを見極めるため、久秀は、三好長慶、千宗益(のちの千利休)が迎える茶会に、景虎を招くことを画策していた。
後奈良天皇に謁見を終えた景虎一行。幕府側についた景虎たちにとって敵対する存在である三好長慶からの茶会への招きはその本意をつかみかねるものであったが、誘いに乗ることとした。
堺で開かれた茶会で、対峙する景虎と、三好長慶、千宗易。
景虎の堂々たる風体に、単刀直入な話が進む。
そして三好長慶は、景虎に真っすぐに問うた。
「あんたは何のために戦うんや?」
三好長慶からすると、越後を守るといいながら、信濃から関東、そしてこのたびの近畿と争いを広げていっているようにみえる景虎には、強い志がどこにあるのか見えない。この乱世を生き抜く気があるのであれば、自分自身の戦いの道を見つけることだ、と景虎につきつけた。
茶会を終えて、堺の町で買い物をする景虎一行。
茶会の席で、千宗易は景虎が女であることを見破っていた。
そして、源十郎も景虎をお虎と思い、その想いを茶碗へと移すのであった。
堺において買い物、武器の買い付け、商談を終えた景虎たちは、朽木谷へと足を向ける。その途中、急な雨により雨宿りした先で、景虎は松永弾正忠久秀の一味に襲われる。
刺客を撃退しながら、景虎は手負いの源十郎と逃避する。
南に馬を走らせながら、追っ手をまいた二人であったが、負った傷がもとで源十郎は熱で倒れてしまう。景虎は処置をすべく薬草を山中探す中、高野山の僧・空雅に出会う。源十郎の状態はひどく、そして景虎が長尾家、越後の女であるという縁から、空雅は二人を高野山へと連れていくこととした。
意識もうつつの源十郎。
男性であろうが女性であろうが、気持ちはすでに景虎へと動いていた・・・・。
<9巻に続く>