妊娠したので会社を辞めたい。妊娠したけれど、今の会社は辞めたい人
「妊娠したけれど、正直今の会社を辞めたい。つわりでしんどいから会社を辞めたい。でも、いつ辞めるのがよいのかよくわからない・・・。引継ぎとか会社への迷惑を考えたら、どうしたらよいのかわからなくなる。辞めた後も働きたいけれど、転職はいつしたらよいのか・・・」
こういった疑問に答えます。
本記事の内容
- 会社はあなたを守ってはくれません。「会社に悪いので我慢する」は不要な話【3回の産休・育休体験からの結論】
- 辞めやすくするために、相手(会社)の気持ちを想像し、先手をうちましょう。
- もらえる保障はきっちりもらおう。辞めるタイミングでもらえるお金が変わります。
この記事を書いているわたしは、30代において、3度妊娠し、産休・育休を取得しました。
3人目を出産し、産休・育休からの職場復帰をしてまもなく退職。そして退職後はすぐに別の会社に転職し、現在にいたります。
今回は妊娠中の女性はどのタイミングで辞めるのかがテーマでして、共働きが増え、こどもを産んでもなお働く女性が増えている中では、常に隣り合わせのようなものではないかと思います。
「辞めたいときに辞めたらいいんじゃない?」という意見があると思いますが、ぶっちゃけ極論としてはそれが正論です。
ただ、後々のことを考えると、その辞め方をどうするのかはちょっと考えてみる価値はあるんじゃないか、、、と思っています。
わたしの結論(会社で人事を10年経験+自分の体験からの考察です)
・ 会社はあなたを守ってくれません。「会社に悪いので我慢する」は不要です。
・ ただし、辞め方によって、退職のしやすさは変わってきます。
ここを深掘りしつつ、3分くらいの記事にまとめました。
会社はあなたを守ってくれません。「会社に悪いので我慢する」は不要な話【3回の産休・育休体験からの結論】
どんなに社員に優しい会社でも、人や状況が変われば、突然手のひらを返してくることは珍しいことではありません。トップダウンの会社なら、特にその傾向は強いです。
もちろん、「うちの会社は違うよ!」というのであればそれが一番です。
ただ、実際に経験としては、残念ながら、会社はあなたを最後まで守ってくれる保証は少ないです。
というのも、人事に関してはその時期の国の施策やトレンドだけでなく、会社の経営状況が大きく関わってくるからです。
具体的には、国がどんどん育休や時短勤務、テレワーク等を進めましょう!と旗を振って会社も一緒に取り組んだとします。ところが、大規模自然災害や、急な円安により業績が急激に悪化した場合、経営を立て直すために事業規模の削減やそれに伴う人員削減を選択せざるを得ない場面がやってきます。会社が望まないのに、そうせざるを得ない場面もありうるのです。
でも、こういったパターンは「経験があって否が応でもわかる」訳でして、会社との関係が特に問題なかった方にはなかなか想像がつかないことかもしれません。
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会社(上司)の立場になって想像をしてみましょう
辞めるにあたって、「会社に悪い」と思う必要はありません。
ですが、「会社(上司)がどう受け止めるか」は考えてみる必要があります。
会社(上司)が退職をどう受け止めるのか想像するのは、一言でいえば、いかに辞めやすくするか、退職までの難易度を引き下げるためです。
※ちなみに、わたしは産休・育休を含む約1年をかけてこの辞めやすい状況下をつくりました。長かった…。
言ってみれば、どうしたら少しでも会社(上司)と闘わないでやめるか、対策をとるということです。会社(上司)が話にならない場合は、とことん闘うのもありですが、できれば妊娠中のしんどい時期にさらにしんどくなるのは避けるのがベターです。ただでさえストレスフルな時期なので。
経験上、会社にとって気になるのは「業務の引継ぎ」が最も大きく、その次が「周りへの配慮」です。
業務のこと考えない、人のことも考えない身勝手な人は叩かれる、のがひとつの答えです。
辞めやすくするために、先手を打ちましょう
会社(上司)対策として有効なのは明確な行動で、次の2点が大切です。
- その①:本音でなくとも建前上、退職を申し訳ない気持ちを示す。
- その②:業務の引継ぎをどのように行って、業務や他の社員に対して極力迷惑がかからないように配慮することを伝える。
基本的にはこの2点でOKです。
退職することが気に入らない会社(上司)は、どうしたって気に入らないのですが、それでも配慮をする人としない人では心証がだいぶ変わってきます。
意訳をすれば
「あなたに迷惑かけてごめんなさい。本当はもっとあなたと一緒にいたかったのだけど。せめて、できるだけのことをして、あなたにこれ以上の迷惑はかけたくない・・・」
ですねww
ちなみに、この逆で、引継ぎも配慮もない場合は
「妊娠したんだから仕方ないでしょ。私辞めるしそんな大した仕事もしていないし、引継ぎなんてするほどのものないけどね。」な感じかなと。こういう人も確かにいますが、まあ、会社にとっては怒りの対象ですね。
というわけで、この2つを深掘りしてみましょう。
その①:本音でなくとも建前上、退職を申し訳ない気持ちを示す。
本音と建て前が必要な時が多いです。会社と無用な闘いを避けるためにも、「申し訳ないと思っている自分」を控えめにアピールするべきです。
わたしの場合だと、退職の理由は妊娠ではなく別のところにありましたが、やむを得ず感をだすため、退職を伝える前から「夫が激務で、ワンオペ育児が大変である」ことと、「通勤時間が1時間半以上で、小学生のこどものフォローが難しい」ことをアピールし、自分の本意でないけれど、このまま会社に居続けるのは難しい、という設定にしていました。外的要因の方が圧倒的に辞めるのを伝えやすいです。 ※表向き、最後まで会社への不満は出しませんでした。
よくある失敗例としては、妊娠したのを強く前面に出して、権利主張を声高にすることですね。
悲しいかな、日本では結構反発をくらいます。妊娠したことは素敵なことですし、前面に出していいはずなのに、「自分のことしか考えていない」とレッテルを貼られがちです。
なので、妊娠に係る多くの権利や言いたいことは、一旦ぐっとお腹のなかためて、建前を伝えてからタイミングをみて小出しに出していきましょう。通勤時間の緩和措置も、つわり休暇も、使える制度はフルに使ってほしいですし、使える状況下にあってほしいです。言う順番を間違えないように!
その②:業務の引継ぎをどのように行って、業務や他の社員に対して極力迷惑がかからないように配慮することを伝える
言ってみれば、退職するからしーらない!ではなく、最後まで責任をもって務めます、ということを伝えるための言葉です。
誠意を見せる場ともいいますね。
給料をもらい仕事をする以上プロなので、ここはしっかりとおさえましょう。
ただし、世の中話にならない人も多く、ここまで手を尽くしても嫌がらせや、無理な仕事の割りふり、辞めさせてくれない・・・などといったケースもあります。
そんなときには、まずはあなたの身体と気持ちを優先して、辞めてしまいましょう。お金で解決できないのが、この部分です。
無理をしてよいことは何もありません。
闘わないで逃げることが、最後にできる防衛手段です。
何度でも言います。会社はあなたを守ってくれませんからね!
第3版 予防・解決 職場のパワハラ セクハラ メンタルヘルス マタハラ・SOGIハラ・LGBT/雇用上の責任と防止措置義務・被害対応と対処法
もらえる保障はきっちりもらおう。辞めるタイミングでもらえるお金が変わります。
生活していく上で、お金はやはり大事なものですが、退職する時期によってもらえるお金(保障)が変わってきます。
※細かい要件については、省略しています。
(例)4年間ある会社に勤めた女性(途中休職期間なし)が、妊娠し、退職および転職しようと過ごす場合に得られる保障は次のとおりです。
①産休前に退職 :出産育児一時金(※退職後6か月以内の出産の場合)、失業保険
②産休中に退職:出産育児一時金、出産手当金※、失業保険
③育休中に退職:出産育児一時金、出産手当金、育児休業給付※、失業保険
④育休復帰後に退職:出産育児一時金、出産手当金、育児休業給付、失業保険
①~④で最も保障が厚いのは④になります。ただ、ここまでの道のりが長いのですね。。
お金も大事ですが、妊娠から産後をどう過ごすかが一番大事なので、じっくり考えて取組むとよいですね。会社との関係が良好なのであれば、できれば産休・育休に入り、復帰してからその後を検討するのがおすすめです。
特に後々、保育園にこどもを預けて働きたいのであれば、①~③のパターンは厳しく、保育園の入園審査上、フルタイムである④がベストになるからです。
どのタイミングで辞めるかは、辞めた後どうように生活したいかに直結している問題です。じっくり考えて、結論を出しましょう。(`・ω・´)ゞ